第39回日本整形外科学会基礎学術集会 参加報告
大学 萩原 怜奈
平成31年入局、運動器外科学分野大学院2年の萩原怜奈と申します。10月17日、18日に開催された第39回日本整形外科学会基礎学術集会に参加いたしましたのでご報告させていただきます。
新宿の京王プラザホテルで行われ、主催は聖マリアンナ医科大学整形外科学講座、会長は仁木久照教授でした。今回のテーマは「深化と探索-AICE-」でした。AICEは「Application-応用」、「Innovation-革新」、「Collaboration-連携」、「Education-教育」の頭文字からとられており、それぞれの分野の第一人者として佐藤正人先生(東海大学医学部医学科外科系整形外科学教授)、茂呂徹先生(東京大学大学院医学研究科・関節機能再建学寄付講座特任教授)、高平尚伸先生(北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科教授)、山田浩司先生(中野島整形外科院長)がそれぞれシンポジウムセッションを担当されていました。また、基礎学術集会会長賞演題はAICE賞セッションという名称で集められ、それぞれの分野から優秀賞が選ばれるという新しい試みがありました。学会のコングレスバッグは高級白衣で知られるClassico製でスクラブを作る際に余った布から作られたものでした。SDGsを意識した企画とのことでしたが、とてもシックな作りで使いやすいデザインとなっていました。
学会では同門の先生方の発表を中心に聴講いたしました。東京科学大学となってから初めての大きな学会でそれぞれの発表の際には名前の変更に関して一盛り上がりありました。私自身もまだ名前が変更になったことになじみがない中で少々の混乱は生じていました。当教室からは様々な分野で先生方が座長、シンポジスト、発表者として活躍をされていました。特に会長賞であるAICE賞を橋本泉智先生が、優秀ポスター賞を辻野昭平先生が受賞されたことは東京科学大学として大変華々しいスタートを切れたのではないかと感じました。橋本先生は「新規カルシウム化合物による筋肉内骨誘導とメカニズム」という演題で新しく筋肉内に骨髄を伴う骨誘導に成功されたことをご報告され、多くの先生から画期的な新規化合物に対して感嘆の声が聞かれました。辻野先生は「骨内神経の視点から解き明かすメカニカルストレス・重力による骨恒常性維持機能」という演題でJAXAとも共同で行われた研究について発表がありました。骨内神経が可視化されている様子、宇宙まで実験の場を広げた研究内容に多くの質問が寄せられ会場が引き込まれていました。お二人とも受賞おめでとうございます!
私自身は慈恵会医科大学と共同研究をさせていただいている内容でポスター発表を行いました。昨年大学院入学とともに実験を開始し、この内容については初めての発表であり共同研究とのこともあり一層緊張しておりました。発表には指導教官である片桐先生をはじめ、慈恵医大の斎藤充教授、荒川先生にもお越しいただき少し緊張も和らぎました。発表後にはさらに内容を発展させるためのコメントも頂戴し、より研究を進めるモチベーションとなりました。
臨床とはまた異なり、自分が研究している内容と関連の低い内容についてはイメージのつきにくい内容もありましたが、多くの整形外科医の先生方があらゆる分野で基礎研究も進められていることを肌で感じ新しい視点も得ることができました。引き続き研究を進め、より一層精進してまいります。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。