診療・研究活動の概要と目標
診療や臨床研究は主に専門診療班単位(腫瘍、脊椎、股関節、上肢、膝足、リハビリテーション)で、協力関連施設と連携して最先端の医療や研究を行っています。基礎的研究は専門班の枠には収まりきらないため、大学の基礎講座のみならず当大学附属の難治疾患研究所や生体材料工学研究所の講座と共同で研究を行っている分野も多くあります。
当教室における研究の目標は、日常臨床で生じた疑問点や治療上の問題点を臨床的ないしは基礎的手法を用いて解決することを主眼においており、いわゆる研究のための研究は極めて少ないのを特徴としております。すなわち、基礎的研究においても常に臨床の場へのフィードバックができることが求められています。
教室のあゆみ
1944~1976 青池 勇雄教授
1944年東京高等歯科医学校が東京医学歯学専門学校に改称され、全診療科を揃えた医科を作るにあたって整形外科が設立されました。その後1946年東京医科歯科大学医学部整形外科となりました。初代青池教授は、脊椎疾患、骨軟部腫瘍を中心に臨床活動を創始・発展させました。
1977~1996 古屋 光太郎教授
第2代古屋教授は、股関節、骨軟部腫瘍を中心に臨床活動を拡大し、治癒的広範切除、患肢温存手術などで骨軟部腫瘍の治療成績を世界のトップレベルにまで高めました。変形性股関節症についてはCharnley式人工股関節置換術で本邦トップレベルの成績をおさめました。脊椎、腫瘍、股関節、上肢、リハビリテーションの各専門班による診療・研究が推進され、1980年頃より新たに膝足班が設立されました。
1996~2010 四宮 謙一教授
第3代四宮教授は、脊椎脊髄外科を中心に臨床活動を拡大しました。脊髄誘発電位を用いた脊髄機能診断を確立し、頚髄症、脊髄腫瘍、側弯症などで安全な手術を実現しています。またエビデンスのある治療の確立のため、頚椎手術(前方法と後方法)や腰椎変性すべり症手術(固定の有無)に関して、前向き臨床研究を進めています。人工骨の開発や磁界測定による脊髄機能診断など臨床応用に向けた基礎的研究も手がけています。
2000年には大学院大学化に伴い、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脊椎脊髄神経外科学分野となり、さらに新設された運動機能再建外科学分野に宗田大教授が就任しました。宗田教授は膝関節外科・スポーツ整形外科を中心に臨床活動を拡大し、世界的に注目を浴びている二重束前十字靭帯再建術を開発、優秀な治療成績をおさめています。さらに研究分野としては滑膜幹細胞を中心に用いた関節機能の再建に業績を上げています。その後2004年にそれぞれ整形外科学分野、運動器外科学分野と改称しています。
2011~ 大川 淳教授
組織図
[リハビリテーション医学] 酒井 朋子 [スポーツ医歯学診療センター高気圧治療部] 柳下 和慶 [臨床解剖学] 二村 昭元 [臨床教育開発学] 高橋 誠 |
[整形外科学] 大川 淳 吉井 俊貴 猪瀬 弘之 [整形外傷外科先端治療開発学] 早乙女 進一 麻生 義則 [先端技術医療応用学] 川端 茂徳 |
[運動器外科学] 古賀 英之 [軟骨再生医学] 辻 邦和 |
[再生医療センター] 関矢 一郎 [フロンティア研究室(骨分子薬理学)] 江面 陽一 [細胞生理学] 佐藤 信吾 [システム発生・再生医学] 浅原 弘嗣 |