日本スポーツ整形外科学会(JSOA)参加報告
大学院 萩原 怜奈
今回、2023年6月29日から7月1日に開催された日本スポーツ整形外科学会(JSOA)2023に参加して参りましたのでご報告いたします。
ここで少し今回の学会の歴史について述べさせていただきます。近年は日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)と日本整形外科スポーツ医学会(JOSSM)で合同開催されることが多かったこちらの学会ですが、今回よりJOSKASのスポーツ医科学に関する事業とJOSSMが統合され日本スポーツ整形外科学会(JSOA)となり、日本膝関節学会(JKS)が別の学会となりました。膝だけに限らず、スポーツ全般に関してトップアスリートのみならずスポーツ愛好家や障がい者スポーツなどトータルにアプローチできるスポーツ医の育成と、スポーツ外傷・傷害の治療だけではなく予防医学にもより力を入れた学会となっています。
開催場所は広島のリーガロイヤル広島と広島県立総合体育館でした。ここ数年の学会はCOVID-19の影響でオンライン開催が多く、少しずつ規制が緩和された後も私が参加した学会は横浜や都内開催が多く、個人的には久しぶりの学会遠征となりました。羽田空港から朝一の飛行機で向かったのですが、早朝にも関わらず人で溢れる羽田空港にCOVID-19の時代が一つ前に進んだことを感じました。早速会場に到着すると雨にも関わらず初日から多くの参加者が集まっており、現地開催学会の熱気を感じました。体育館会場では武道場も利用した会場設営となっていましたが、いずれの会場も立ち見聴講が発生するほどの集まりでした。
聴講は同門の先生方の発表を中心にいたしました。立石先生の股関節セッションでは股関節の痛みの多くが関節外に原因があることを多数の経験症例を供覧していただきながら学びました。特に相撲関連のお話は聞かれたことのない先生も多くいらっしゃり、会場を強く引き込んでいました。また、中川先生はACL再建後のスポーツ復帰の現状と課題についてのシンポジウムに登壇されました。医師だけではなく、アスレティックトレーナーの先生も一緒にリアルな復帰現場について議論をされていてとても勉強になりました。ドクターの復帰許可と現場での復帰判断の二段階でチェックポイントを設けて再断裂予防に力を入れたいとのお話がとても印象的でした。大学院生となり、手術から離れているため最新の治療、また次の日から活かせる外来診療のtipsなども学ぶことができ、臨床へのモチベーションにもなりました。上の先生と一緒に企業ブースにお邪魔して久しぶりに手術器械に触れられたのも良い思い出です。
久しぶりに遠方での学会に参加して改めて学会の活気を感じ、私自身も学会を盛り上げていける存在となりたいと思いました。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。