第32回日本脊椎インストゥルメンテーション学会

32回 日本脊椎インストゥルメンテーション学会 参加報告

大学院生 上杉豪

 今回は鳥取県米子市で開催された第32回日本脊椎インストゥルメンテーション学会についてご報告をさせていただきます。鳥取大学が主幹で「脊椎合宿 ~医療発祥の地でインスト手術を語りつくす~」というテーマの下で1124日と25日の2日間、米子コンベンションセンターで行われました。古事記の中には「因幡の白兎」として有名な話があります。鰐に皮を剥がれ、海水で体を痛めた兎に、大国主命が蒲黄(がまのはな)の花粉を塗り、体の傷を癒すように教える話であり、その話にまつわる神社である「白兎神社」が鳥取にあることから医療発祥の地とも呼ばれているそうです。

その地に集まり行われた本学会では約360題の演題が集まり、医科歯科からは25演題、骨化症関連や側弯症、頸椎手術について、など多岐にわたって当教室から発表がされました。私は大学で2020年から本邦に上市されたCement-augmented fenestrated screw (通称 セメントスクリュー) についての発表をさせていただきました。新しく作られたコンセプトのインプラントではございますが、近年我々が直面している高齢者社会、それに伴う骨粗鬆症患者の増加している社会において、脊椎instrumentation手術の合併症を減らす有効な手段として注目度は高く、このインプラントについてだけで2つのsessionが設けられるほどでした。使用に際しての合併症について発表し、各施設での合併症対策を広め、議論し、私自身も多くの質問をいただいたことで、非常に学びの多い学会となりました。

また最優秀候補演題として挙がった5題のうち、当教室から川畑篤礼先生と橋本泉智先生の2つの演題がエントリーされておりました。川畑先生は昨年まで留学されていたVaderbilt大学での研究内容である骨再生について、橋本先生は頸椎前方の合併症についての多施設研究についてご発表され、橋本泉智先生が見事受賞されました。昨年の榊先生(済生会川口総合病院)の受賞に引き続きの受賞となりますが、橋本先生はダントツの得票数であったとのことで、通常2演題が表彰されるところ、今回は2位なしの一名の受賞となったそうです。橋本先生、本当におめでとうございます!

今回橋本先生の受賞された発表内容をはじめ、改めて医科歯科のチームとしての強さを感じました。私自身も現在多施設様に協力いただき、準備をしている臨床研究がいくつかあり、 今後の発展を楽しみにしております。

学会会場にて 平井、吉井、橋本(泉)、筆者(敬称略)

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