第51回日本股関節学会 参加報告

第51回日本股関節学会 参加報告

大学 井口 亮

この度、20241024()25日(土)に開催された第51回日本股関節学会に参加しましたので報告致します。

今回は川崎医科大学の三谷茂教授を会長に岡山県岡山市にて開催されました。

今年のテーマは「Hip disorder from cradle to centenarian」でその名の通り年々増加傾向である人工股関節に限らず、小児から高齢者まで幅広い診断・治療のディスカッションが飛び交っておりました。

 

初日に行われた関節鏡および骨切りのシンポジウムでは、各専門の先生方が活発に討論されており、関節鏡もしくは骨切りの治療決定の上で病態の評価・診断の重要性が強調されておりました。

また、最終日の午後に行われたシンポジウム「小児股関節疾患のバトンタッチ渡したいタイミングと受け取りたいタイミング」では小児整形外科と股関節外科医との橋渡しに焦点を当てたセッションでした。座長の神野先生、西須先生を中心に、判断に悩む症例を例に挙げ、小児および成人の股関節エキスパートの先生の意見を集めて討論されておりました。非常に多くの先生方が拝聴する中、活発な意見交換がなされており、その場で聞けたことは非常に貴重な機会となりました。

討論の場でも話題となっておりましたが、学会の場だけでなく、日常診療の中でも各専門医が意見交換しやすい場の構築が期待されます。

人工股関節に関しては近年注目されているロボット支援下でのTHAやナビゲーションシステムの話が活発になされておりました。THAレジストリーにおいてナビゲーション使用率は2015年の9%から2022年には28%程度と広く普及しつつあり今まさに注目されているテーマになります。

当院でも高田先生により仰臥位だけでなく側臥位でのピンレスAR Navigationの開発改良を進めており、講演会場でも多くの先生方が注目されておりました。

 

私自身は人工股関節置換術におけるセメントショートステムの術後骨密度変化について報告致しました。他施設では浜松医療センターからもショートステムとスタンダードステムとの比較報告がなされておりました。ショートステムが開発されてまだ間もないこともあり長期的な成績は今後期待されます。今回の学会では、他施設の先生方との意見交換やリアルタイムの研究報告を聞く貴重な機会となりました。

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