第68回 日本手外科学会学術集会参加報告

68回 日本手外科学会学術集会参加報告

大学 山本 貴瑛

令和7410日・11日に開催された第68回日本手外科学会学術総会に参加しましたので、ご報告いたします。

 

今回の学術集会は、横浜労災病院運動器センターの三上容司先生を会長として、パシフィコ横浜ノースで開催されました。学会テーマは「Well-beingな手外科」でした。「Well-being」とは、肉体的、精神的、社会的に健康な状態を指す言葉であり、このテーマには手外科医療が患者の生活全般にどのように寄与できるかという観点が込められていました。また、それに加えて、手外科医自身の健康や働き方にも焦点を当てた内容となっており、医療者と患者双方の視点から「Well-being」を考える意義深いテーマでした。

学術集会では、多岐にわたる分野で教育研修講演やシンポジウムが行われました。特に教育研修講演では、基礎から応用まで幅広い内容が取り上げられ、多くの参加者が熱心に耳を傾けていました。一部では席が足りず立ち見となるほどの盛況ぶりでした。私は主に神経画像に関するセッションを中心に参加しました。このセッションでは、神経伝導検査や超音波検査といった従来の検査方法だけでなく、デジタル聴診器やMRI signal intensity ratioなど、新しいデバイスや技術を用いた研究が紹介されており、多角的なアプローチが非常に印象的でした。これらの研究は、診断精度の向上だけでなく、患者負担の軽減にもつながる可能性があり、大変勉強になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、本学医局からも多くの発表が行われました。同門の藤田浩二先生は「超音波検査画像のAI解析による手根管症候群の重症度分類」について発表され、その研究内容はAI技術を活用した診断支援の可能性を示唆するものでした。佐々木亨先生は「神経磁界計測による末梢神経障害の可視化」に関する発表を行い、新しい計測技術による神経障害評価への応用について議論されました。

今回このような大規模な学術集会に参加し、多くの刺激と学びを得ることができました。自身の課題や目標がより明確になったと感じています。また、このような場で多様な意見交換が行われることは、自分自身だけでなく医局全体としても大きな成長につながると確信しています。

今後も当医局のさらなる発展とよりよい研究報告が続くことを期待するとともに、私自身も研究活動を通じて医局に貢献できるよう努力していきたいと考えております。

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