Cervical Spine Day in Autumn 2025 共催報告

Cervical Spine Day in Autumn 2025 共催報告

大学 山田 賢太郎

 

20251122日、東京科学大学と昭和医科大学の合同でCervical Spine Day in Autumnを東京駅近くのAP東京八重洲で主催いたしました。Cervical Spine Day in autumnは今回が初めての開催ですが、過去25回の開催歴史をもつ「圧迫性脊髄症研究会」と2022年に発足した「首下がり研究会」を一日で行うという新たな研究会で、国際頚椎学会日本機構(CSRS-J)の後援を頂きながら行われました。

「圧迫性脊髄症研究会」の会長を吉井教授がお務めされる事で、私自身は事務局の一員として半年前から開催にむけての会議に参加させていただきました。江川聡先生と共に圧迫性脊髄症研究会部門の演題募集、参加勧誘、プログラム冊子作りと昭和医科大学の先生方と共同で作業に当たらせていただきました。

 

今回のテーマは圧迫性脊髄症研究会が「脊髄症とアライメント」で、全国から一般演題を募り、首下がり研究会は「各治療法の適応を学ぶ」で一般演題とシンポジウムを半分ずつに分ける構成となりました。特に国際頚椎学会日本機構がこれまでのJ-CSSから正式に CSRS-Japanese Chapter(CSRS-J)に改名した事により、国際的な頚椎学会を目指す第一歩でもあります。

吉井教授と昭和医科大学 工藤教授の演題誘致もあり、全国から沢山の演題応募をいただきました。当初応募いただいた演題は全てご発表いただく方針でした。しかしプログラム作りの段階でどう考えても枠に収まらない事が分かり、断腸の思いで吉井教授・工藤教授にご相談しいくつかの演題を引き下げていただいた中のプログラム構成、それでも本当に時間内で終わるのか一抹の不安の中での開催となりました。

受付では芳名帳の用意がなかった事に当日の朝に気づき、急遽江川先生にQR codeを用いた参加登録を作成いただくなどドタバタがございましたが、土曜の朝早くから多くの先生にご参加いただきました。特にCSRS-Jとして再出発の第一回目の会合ということもあり、全国から頚椎の大御所の先生が多数来てくださりました。

朝の一番から、会議室2つ分の壁を取っ払って作った大きな会場がほぼ埋まった中で、研究会が始まりました。演題それぞれも、しっかりした臨床研究から、興味深い症例報告まで幅広い内容でありました。やはり頚椎に熱い猛者が全国から集まっているだけに、質疑応答の時間には多くの方がマイクに並びます。特に日本の頚椎手術のレジェンドの先生方のご発言は含蓄に富んでおり、大いに会場がわきました。ちょっとインプラントの成績を報告しようものなら、すぐさま「私、その機械の開発に関わったんですが、、」と大御所の先生がマイクに立たれ開発秘話や深い考察を述べられる光景は、一研究会の枠を超えた規模でありました。

いずれの演題も非常に示唆に富む報告ばかりでしたが、特に私自身が印象に残りましたのは東北の田中靖久先生の一般演題でした。田中靖久先生と私は面識はございませんでしたが、私が脊椎を始めた頃に、頚椎症性神経根症に関する知識は田中靖久先生の教科書から勉強させていただき、今もそれがベースになっています。その御大 田中先生が「寝違いの原因」というすごいタイトルの一般演題をご登録されました。話もすごく面白く会場を笑いに包まれた他、質疑応答ではおなじ東北の名誉教授の小澤先生と寝違いの原因について熱く議論する、と他の研究会では得られないであろう体験をさせていただきました。

一方で我々東京科学大学関連の先生方も若手の先生方を中心に素晴らしい発表をしていただきました。高橋拓也先生はプレートと桐田宮崎法の両開き椎弓形成の術後成績比較、藤井俊一先生はビタミンB12欠乏性脊髄変性とCSMの稀な合併症症例、橋本淳先生は神経磁界計測のCSMでの結果、江川聡先生は診断に工夫した硬膜外くも膜嚢腫症例、榊経平先生は座位MRIと臥位MRIの比較検討について発表されました。いずれの発表も堂々とされており質疑応答にも的確に受け応えられ、東京科学大学の若手レベルの高さを実感しました。

中でも、今回座長と会長による厳選な採点・計算によって優秀演題賞を設定していましたが、「首下がり研究会」の優秀演題賞を小沼博明先生が受賞されました。演題は頚胸椎移行部の術後感染による首下がりに対して2期的前方後方手術を行った症例の報告です。頚胸移行部の難しい前方手術を成功させた報告に対して、北海道のレジェンド鐙邦芳先生が「後方からのPSO/TESで対応できたのではないか」とのコメントに、群馬のレジェンド清水敬親先生が「感染例だから感染巣とインプラントを交通させない前後方手術が病態的に正解だったでしょう」とコメントを返してくださった事が印象的でした。全42演題の一般演題の中での優秀演題賞の受賞、誠におめでとうございます。

 

どの演題にも熱い議論が交わされ、途中で(ある程度予想通り)時間が超過しており、事務局としてひやひやしておりましたが、座長も波呂浩孝教授、新井嘉容先生など歴戦の猛者にコントロール頂いたおかげさまで、想定の範囲内ですべてのプログラムを問題なく終了する事ができました。

終了後にはCSRS-Jの理事の先生方から一様にお褒めのお言葉をいただきました。私自身は事務局としての自覚が足りていなかった場面も多くあり、反省点が多い研究会でございましたが、一日がかりの2大学の合同研究会の事務局をさせていただくという貴重な経験でございました。演題登録いただいた先生方には私自身でメールのやりとりをしていたせいか、面識のなかった全国の若手の先生からご挨拶を頂き、より一層本邦の脊椎界での交流範囲が増えたことは役得でございました。

今後も吉井教授を中心として国際頚椎学会日本機構での役割や同会の開催を通じて本学がやるべき事は多くなろうかと思います。微力ながら、その一員として今後も尽力させていただく所存です。皆様どうぞよろしくお願いいたします。

最後に、この回を何としても成功に導くよう尽力いただいた吉井教授を支えるように、たくさんの演題を登録いただき、また様々なご予定がある中、当日ご参加いただきました東京科学大学関連の脊椎班の先生方、事務仕事をお手伝いいただきました先生方に厚く御礼申し上げます。

 

 

 

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