第36回日本臨床スポーツ医学会学術集会参加報告
大学 萩原 怜奈
11月2日、3日に幕張メッセにて開催された第36回日本臨床スポーツ医学会学術集会に参加いたしましたのでご報告させていただきます。本学会は、スポーツ整形外科、運動器リハビリテーション、理学療法、チームドクター活動、トレーニング科学など、スポーツ医学に関わる多職種の専門家が一堂に会し、最新の知見と臨床経験を共有する学術集会です。今回の学会のテーマは「ライフパフォーマンスを高めるスポーツ医学」とのことでエリートアスリートのみを対象にするのではなく幅広くスポーツ医学に関して知見を広められるようなプログラムが多く組まれていました。参加者は整形外科だけではなく、総合診療科、産婦人科の医師、歯科医師、薬剤師、看護師、PT、AT、学生等とても幅広い職種にわたっており、会場全体が活気に満ち溢れていました。

今回私自身の発表はなかったのですが、Young Members’ Meeting(以下、YMM)の一員として2日の夕方に開催されたセッションの運営に携わらせていただきました。ここでYMMについて少しご紹介させていただきます。YMMは第34回学術集会から発足し、スポーツ医学に携わっている若手による若手のための企画というコンセプトの元で活動しています。初期メンバーは医師(整形外科、総合診療科)、PT、ATから構成され、学術集会での企画準備のため年間を通して毎月1回のオンラインミーテイングを行ってきました。企画ではスポーツ医学に興味を持っている若手の活動につながるように多職種連携を意識し、シンポジストによる登壇や今後の活動に向けたグループディスカッションを行いました。毎年大会長にも高評価をいただき、今年で3回目の企画となりました。今年も学生を含めて様々な職種の若手に参加いただき、活発なディスカッションを通して交流を深めることができました。私自身もYMMのメンバーと学会の外でも現場で顔を合わせてお話をさせていただく場面があったりと、このご縁にとても感謝しております。この活動に参加するお話をくださった大関先生にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。


聴講は学術集会前にトラベリングフェローとして本学にもいらした韓国、デンマークの先生方の発表や本学の先生方の発表を中心にさせていただきました。1日目のランチョンセミナーでは川端先生と立石先生の同級生コンビのお話を聴かせていただきました。川端先生からは先生が開発された神経磁界計測装置の原理、歴史と脊椎疾患、末梢神経障害などの実臨床での測定例を紹介していただきました。立石先生からは実際にアスリートで神経磁界計測を行った症例をご紹介いただき、スポーツ現場における神経磁界計測のニーズ、可能性についてお示しいただきました。普段はご活躍の分野が異なる同級生お二人がコラボして学会で最新の知見について発表されているご様子は一医局員として心を動かされるものがありました。


今回の学会参加を通じて、改めて感じたのは、スポーツ医学領域における多職種連の重要性です。臨床現場での疑問を学術的に検証し、エビデンスを積み重ねていく姿勢が、今後のスポーツ医療の質を高める基盤になると実感しました。また、本学会およびYMMへの参加を通じ、多くの学びと出会いを得ることができました。学んだことを日々の診療や研究活動に還元しながら引き続き努力してまいります。

