第69回日本手外科学会学術集会 参加報告
東京科学大学 杉浦沙羅
この度、2026年4月9日〜10日に博多で開催されました第69回日本手外科学会学術集会に参加いたしましたので、ご報告させていただきます。
2026年の手外科学会のテーマは、「やさしい手外科―持続可能なスタンダードを目指して―」でした。学術集会会長である福岡国際医療福祉大学・副島修教授のお言葉を引用すると、最先端の知見や専門性を極めるだけでなく、患者さんにとって理解しやすく心身の負担を抑えた医療を実践すること、そして次世代に無理なく継承できる診療の基盤を整えることも大切である、という思いが込められています。
このような将来を見据えたテーマのもと、今回の学会では若手医師や女性医師に焦点を当てた特別シンポジウムが企画されました。2日目にメイン会場で開催された特別シンポジウム「やさしい手外科―女医編―」では、新関祐美先生が座長を務められました。神経生理学的診断や小児外傷など様々な現場の第一線でご活躍されている先生方の講演を聞くことができました。セッションの最後には、女性医師を含む若手手外科医に向けて、各演者の先生方から一言ずつ激励のメッセージをお話ししてくださったことが特に印象に残りました。

731演題の応募があったという本学会では、2日間にわたり10会場に分かれて活発な発表および討論が行われました。同門の先生方のご活躍も光り、若林良明先生、藤田浩二先生、志村治彦先生はシンポジウムの座長を務められました。東京科学大学および関連施設からの演題数は18題にのぼり、基礎研究から診断、手術手技に至るまで幅広い分野での取り組みが発表されていました。「パネルディスカッション:母指CM関節症の次世代アプローチ」では、演者の一人として塚本和矢先生が登壇され、母指対立運動についての発表が多くの反響を呼んでいました。

大雨が吹き込む中で敢行された恒例の上肢班集合写真撮影にも多くの先生方が参加され、上肢班の結束と勢いを改めて実感いたしました。本学術集会への参加を通じて得られた経験を今後の診療および研究活動に活かし、先輩方のように活躍できるよう一層精進してまいります。来年の開催につきましても、今から大変楽しみにしております。
