第54回 日本脊椎脊髄病学会学術集会 参加報告

第54回 日本脊椎脊髄病学会学術集会 参加報告

大学 田原龍希

今回は北里大学の髙相昌士教授が会長を務められ、2025417日から19日まで3日間、千葉県幕張メッセにおいて開催されました。現地参加は2600人超える大きなイベントになりました。4月に入ってからも不安定な気候が続き朝晩は冷え込む日々が続いておりましたが、会期中は穏やかで上着がなくても過ごしやすく日中は議論の白熱も相まってかむしろ暑いくらいでした。

テーマである「不撓不屈」は北里柴三郎の教えであり、北里大学の建学の精神の一つということです。会長講演では髙相先生ご自身の哲学としても“Thankfulness”と併せて“Tenacity”を挙げられていました。severeな脊柱変形の治療に取り組まれてきた様を静かに、しかし情熱を持って語られる会長講演にもその精神が滲み出ていたように感じます。また文化講演では元巨人軍監督の原辰徳氏が登壇されましたが、「野球と私」のタイトルで愉快なエピソードを交え会場を沸かしつつも、「自分で選んだ道」を軸として持つことの大切さや「限界の先」を志すことなど我々の日々の臨床や研究にも通じる熱いメッセージ、まさに不撓不屈の精神をこちらでも頂きました。

私はいわゆるコロナ元年(2020)入局の身で、現地での学会参加経験が少ないため会期前から学会アプリを見ながらどの会場に足を運ぼうかとワクワクしておりました。しかし同門の先生方からの演題は40を超えており、先生方の勇姿を撮影しようと思うと自ずと一日のスケジュールがほとんど決まってしまうほど! 加えて座長やセミナー講師を担当されている先生も多く、東京科学大学に名前を変えても本学整形外科脊椎・脊髄グループの存在感は変わらなかったのではないでしょうか。その最たるものとしてディベートセッション「頚椎変性疾患における手術法(変形を除く)前方 vs 後方」では我らが吉井教授が前方派の代表として「頚椎変性疾患に対する前方法の優位性」を講演されました。初日午前中に行われたにも関わらず大盛況となっておりました。また本会中ではJSSR関連Awardの受賞式があり、平井高志先生が“Spine Surgery and Related Research Award”の1つ“High Citation Award”を受賞されました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私自身も山田賢太郎先生にご指導いただき、1題のみではございますが発表の機会をいただきました。久々の現地での口演で緊張しておりましたが、前日の原監督の「一生懸命取り組んだからこその緊張」「開き直る」という言葉を思い出しながら無事に終えることができました。質問も多くなく安堵しましたが一方で伝わりにくかったのではないかと、今後の改善点を検討して参ります。

 

また、学会参加の大きな魅力の1つとして他大学の先生方との交流が挙げられるかと存じますが、さいたま日赤や諏訪中央病院でお世話になった東大や信州大の先生方とも久しぶりにお話しすることができました。また全国各地の先生方が集まる50人規模の懇親会にも飛び込みで参加させていただき情報交換を致しました。他医局の先生方とお話しすることで新たな視点をいただき面白かった一方で臨床・研究ともに自分がまだ何も持っていないということを改めて実感し、今後も研鑽を積んでいかなければと身が引き締まる思いでした。

 

今回3日間の学会参加を通して非常にたくさんの刺激を頂きました。今後の研究に関わるテーマのセッションも拝聴することができましたので、「不撓不屈」の精神を胸にこれからも精進して参りたいと存じます。今後ともご指導ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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