第15回ISAKOS Congress 2025 参加報告
Sporthopaedicum Straubing 長谷川 翔一
この度、6月8日~11日にドイツのミュンヘンで開催されました第15回ISAKOS (International Society of Arthroscopy, Knee Surgery and Orthopaedic Sports Medicine) Congress 2025に参加させていただきました。本学会は、関節鏡、膝、スポーツ医学を専門とする国際学会であり、世界中から多くの専門家が参加し、最先端の知見に基づいた講演、ディスカッション、ライブ手術などが行われました。隔年開催である本学会は今年で30周年を迎え、日本からも多数の先生方が参加しておりました。
本学膝足スポーツ班からは5名が参加しました。“Recent Evolution of Ankle Lateral Ligament Stabilization Surgery”のシンポジウムでは、片倉先生が足関節外側不安定性に対する手術手技の歴史的背景とその変遷を分かりやすく解説し、それぞれの長所・短所に基づき症例に応じた治療法の選択について発表されました。特に、片倉先生の治療選択アルゴリズムを示したスライドは、多くの聴衆がスマホで撮影するほど注目を集めていました。
“Treatment Strategy for ACL Graft Failure”のシンポジウムでは、古賀教授が座長を務め、著名な先生方による最新の知見に基づいた発表が行われました。ACL再断裂は膝スポーツ整形外科医にとって常に重要なテーマであり、本シンポジウムではLEAP (lateral extra-articular procedure) の適応と、骨形態のリスクファクターに焦点を当てて発表、ディスカッションが行われました。非常に大きな会場で行われましたが、会場は満席で立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。
続いて、”Meet the Expert: Refine Your Algorithm for Knee Preservation: Alignment, Stability, Meniscus, Cartilage”のセッションでは、各円卓にエキスパートが座り、エキスパートが持ち寄った様々な困難症例の発表後、円卓ごとにディスカッションを行うという形式で行われました。古賀教授は、エキスパートとして症例発表と円卓における司会も務められておりました。私が参加した円卓では、オーストラリアのJustin Roe先生が症例を要約しながら、ポーランド、エジプト、アメリカ、インドの整形外科医らが活発な意見交換を行いました。各症例に対する各国の治療の考え方の違いと共通点について直接聞く機会はなかなかないため、非常に新鮮で貴重な経験でした。
本学会では、久しぶりの再会もありました。星野先生と安先生は、それぞれカナダとフランス留学時代の先生方との再会を果たし、私自身もタイのトラベリングフェローシップでお世話になった先生方と再会する機会に恵まれました。新たな知見の獲得と発信は重要ですが、こうした再会もまた国際学会の大きな魅力であると改めて感じました。
私は2025年4月より、ドイツのStraubingという町で臨床フェローとして留学中ですが、こうした繋がりを大切にしながら、今後一層の研鑽に励む所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
最後に、嬉しいお知らせです。この度、古賀教授が次期ISAKOS Board of Directors Member-at-Largeに選出されました。本選出は、古賀教授の多大なるご尽力と、日本のスポーツ整形外科界の国際的な評価の高さを示すものであり、日本のスポーツ整形外科のさらなる発展に大きく貢献するものと確信しております。