第40回日本整形外科学会基礎学術集会 参加報告

40回日本整形外科学会基礎学術集会 参加報告

大学 李 昇炫

このたび、20251016日から17日にかけて青森市で開催された「第40回日本整形外科学会基礎学術集会」に参加いたしましたので、ご報告いたします。

本学術集会は、整形外科学の基礎研究分野における最新の成果や今後の展望を共有する場として毎年開催されており、全国の研究者・臨床医が多数参加していました。例年にも増して多彩なテーマが取り上げられ、間葉系幹細胞、軟骨再生、疼痛メカニズム、さらには老化や炎症を軸とした新しい治療戦略など、整形外科研究の広がりを感じるプログラム構成でした。

本学からも複数の演題が採択され、私自身も「ラット滑膜線維芽細胞への老化誘導および老化滑膜オルガノイドの作成」というタイトルで口演発表を行いました。

本研究では、滑膜線維芽細胞に酸化ストレスを負荷することで老化を誘導し、三次元培養によって老化滑膜オルガノイドを作製する試みを報告しました。発表当日は座長の先生方からご質問・ご意見をいただき、今後の実験計画や解析方針を再考する上で大変有意義な機会となりました。

また、教育研究講演では関矢先生による「間葉系幹細胞を用いた関節内治療の過去・現在・未来」が印象に残りました。関節疾患に対する細胞治療の発展を歴史的な流れとともに解説され、今後の再生医療研究における方向性を考える上で大きな示唆を得ることができました。

その他にも、細胞外マトリックスの新規解析法や、加齢性変化を分子レベルで捉える発表など、基礎研究の深化と臨床応用への橋渡しを意識した内容が多く、日々の研究活動と直結する知見を数多く得ることができました。

本学会への参加を通じ、改めて研究発表の重要性を実感しました。自分の研究を客観的に見つめ直す機会となっただけでなく、全国の若手研究者が積極的に挑戦する姿勢に強く刺激を受けました。

今後も積極的に学会発表・参加を重ね、整形外科基礎研究の発展に微力ながら貢献できるよう精進してまいります。

ページトップへ戻る