Spineweek 2023 参加報告
山田賢太郎
今回オーストラリア メルボルンで5月1日から5日に開催されました脊椎外科の国際合同学会Spineweek 2023に大学から平井高志先生と参加してまいりました。Spineweekは様々な脊椎関連の学会が合同で学術集会を開催しようというコンセプトで2004年から4年おきに開催されてきました。前回は2020年に同じオーストラリア メルボルンで開催予定でしたが、ご存知の通り学会直前に発生した全世界規模のCOVIDパンデミックにより中止を余儀なくされておりました。今回COVID規制が各国でほとんどなくなったのを機に当時のロゴそのままに現地開催となりました。
Spineweek 2023では全23学会が一堂に会した学会となっており、会場も広大です。開催期間もGWのほぼ1週間丸々で行われました。平井先生は日本脊椎脊椎病学会(JSSR)およびAsia Pacific Spine Society (APSS)の講師・シンポジストとしてご発表、私はInternational Society for the Study of the Lumbar Spine (ISSLS)のSpecial posterで2演題発表でございました。GWの真っ只中での開催、また演題の登録が昨年秋でまだ海外渡航・帰国にはCOVIDの陰性証明書が必要だった時期でもあり、日本からの参加人数は少ないのではと思っておりましたが、現地では多数の日本からの参加者がおられ旧知の先生方とたくさんお会いすることができました。
多数の学会が同時進行していく形式であったため、すべての学会に参加することはできませんでしたが、久しぶりの現地開催の国際学会であったためか、どの部屋も活発な議論が行われていました。特に平井先生がご登壇されたAPSSのシンポジウムでは頚椎固定で有名な韓国のProf. SukやOPLLに対して画期的な手術法ともいえるvertebral body sliding osteotomyを提唱されたDr. Leeと世界的に有名な先生が登壇されるとあって中規模の部屋が満員御礼になるほどでした。質疑応答の場面では質問者がマイクの前に列を作って並ぶという国際学会では当たり前の光景を久しぶりに見ることができました。COVIDパンデミックの間もweb配信で学会は行われていましたが、列を作る質問者・フロアでの活発な討議・セッション終了後のフロアでの談笑、これらはweb配信では成しえなかった場面であり、改めて国際学会参加の意義を再確認させられた熱いセッションでございました。
私の方はISSLSの会場で3分間の口演発表をさせていただきました。発表が最終日の朝一番であった事もあり、参加者はまばらではありましたが、しっかり数名からご質問をいただきました。質問にうまく英語でスラスラ答えられず、「もっと普段から英語勉強するべきだ」と反省するのはいつもの国際学会で同じ、成長がありません・・
またISSLSでは優秀な基礎/臨床の研究論文に対して大変名誉あるISSLS Prizeが授与され、毎年の学会で受賞発表があります。今回の基礎の受賞者はProf. Rajasekaran、2017年に猪瀬先生と共に日本脊椎脊髄病学会のtraveling fellowshipで訪問させていただいたインドの先生です。内容は最新のMR技術を用いた椎間板の代謝産物の研究論文でProf. RajasekaranはこれでISSLS Prizeが5度目!世界には規格外の優秀な先生がいる事を改めて認識させられましたし、いつかはこの壇上に立ちたいというモチベーションにもなりました。
このような機会を与えてくださり、1週間の間の海外学会参加を快く許可いただきました東京医科歯科大学医局の先生方に御礼申し上げます。これからも引き続き研究に精進してまいりたいと思います。