肩から指先までの上肢における痛みやしびれ、運動障害などをきたす疾患や外傷を治療対象としているグループです。病因や病態を正確に診断し、手術治療だけでなく、リハビリや装具療法など一人一人に合った最適な治療法を患者さんとともに考え、提供しています。肩・肘・手首の疾患・外傷の一部では、低侵襲な関節鏡手術を導入し、早期社会・スポーツ復帰に貢献しています。また高齢化社会を反映して増加傾向にある上肢の変形性関節症に対する人工関節や関節形成手術、絞扼性神経障害に対する機能再建術など、専門的な技量を要する手術にも対応しており、日本手外科学会認定基幹研修施設に指定されています。
上肢グループは、毎週月、水、金曜日に専門外来を開設しており、肩、肘、手における外傷、変性疾患、炎症性疾患を対象に診療を行っています。対象疾患は多岐にわたります。まずはご相談ください。
お知らせ
上肢グループの研究について記者説明会を行いました
東京医科歯科大学医学科・大学院医歯学総合研究科とJA共済総合研究所が2016年4月に設立したジョイントリサーチ講座「運動器機能形態学講座」は、このたび、同大学院整形外科学分野との共同研究により、その研究成果の1つである「 […]
担当医師
運動器機能形態学講座
教授 二村 昭元
Akimoto Nimura
統合イノベーション機構 オープンイノベーションセンター 医療デザイン部門
教授 藤田 浩二
Koji Fujita
先端医療開発学講座 整形外科学分野
助教 佐々木 亨
Toru Sasaki
先端医療開発学講座 整形外科学分野
医員 有賀 茜
Akane Ariga
先端医療開発学講座 整形外科学分野
大学院生 野呂瀬 美生
Mio Norose
先端医療開発学講座 整形外科学分野
大学院生 山田 英莉久
Eriku Yamada
先端医療開発学講座 整形外科学分野
大学院生 山本 晧子
Akiko Yamamoto
先端医療開発学講座 整形外科学分野
大学院生 塚本 和矢
Kazuya Tsukamoto
先端医療開発学講座 整形外科学分野
大学院生 脇 智彦
Tomohoko Waki
手術実績
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
マイクロ | 2 | 1 | 1 | 4 | 4 |
人工関節・関節形成 | 9 | 6 | 4 | 3 | 13 |
絞扼性末梢神経障害 | 33 | 36 | 19 | 28 | 33 |
骨折 | 28 | 31 | 17 | 23 | 24 |
靱帯損傷 | 6 | 6 | 1 | 5 | 0 |
腱損傷 | 25 | 32 | 8 | 24 | 27 |
授動術など | 1 | 5 | 0 | 8 | 15 |
腫瘍 | 3 | 3 | 5 | 5 | 10 |
先天異常 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 |
その他 | 25 | 28 | 15 | 18 | 19 |
全件数 | 132 | 148 | 71 | 119 | 145 |
手外科専門医が在籍する関連病院
- 済生会川口総合病院
- 東京ベイ・浦安市川医療センター
- 土浦協同病院
- 横浜市立みなと赤十字病院
- さいたま赤十字病院
- 同愛記念病院
- 埼玉石心会病院
- 草加市立病院
- 青梅市立総合病院
- 佐久総合病院 佐久医療センター
- 諏訪中央病院
1.対象疾患の一部
肩関節
肩腱板断裂、肩関節周囲炎、石灰沈着性腱板炎、変形性肩関節症、反復性肩 関節脱臼
肘関節
変形性肘関節症、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、肘離断性骨軟骨炎、肘部管症候群、内側側副靱帯損傷
手関節
三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷、舟状骨骨折偽関節、手根不安定症、キーンベック病、手根管症候群、関節リウマチに伴う手関節の変形
手指
母指CM関節症、デュピュイトラン拘縮、ヘバーデン結節、手指の変形、腱損傷、関節リウマチに伴う手指の変形
2.最先端医療
肩関節疾患の治療では積極的に関節鏡治療を導入しています。肩腱板断裂では従来修復困難と言われた大きい断裂でも可能な限り腱板や関節包付着部の解剖学的知見に基づいた修復を目指しています。腱板断裂の症状は痛みだけではなく、肩が上げられないといった動きに関する症状も大きな問題の一つです。従来の方法では治療困難と考えられたケースでも、近年日本に導入されたリバース型人工肩関節置換術を行えば、肩関節機能を回復させることが可能になる場合がありますので、ぜひご相談ください。
手、肩、肘のスポーツ傷害の治療でも当院では積極的に関節鏡治療を取り入れています。ラグビーや柔道などのコンタクトスポーツでは関節鏡手術だけでなく、場合によっては直視下法による関節制動手術も行っており、それぞれに適した方法で成績の向上を目指しています。
手の外科の治療では、セラピスト6名とチームを組んで積極的なリハビリを行い、成績の向上を目指しています。
臨床研究
よりよい治療法の開発のため、下記のような研究を行っています。
1.橈骨遠位端骨折後の転倒予防
2.上肢疾患に対する骨粗鬆症治療
3.CM関節症に対する新しい装具、手術法の開発
4.細胞移植を用いた舟状骨偽関節手術の開発
5.関節構造に関するメゾ解剖学的研究(肩・肘・手関節など)
6.金属製内固定材料を用いない骨折治療
7.肩肘関節・股関節・の変形性関節症に対する注射薬による治療